Wiñay Taki Ayllu
これはとても貴重な古代アンデスの音楽の記録です。
クスコから、地元の人が乗る乗り合いバンに乗って40分、ピサック村からさらに山に入った場所にあるWiñay Taki Aylluというインディヘナ(先住民族)のコミュニティの人たちに会ってきました。
ある人が繋いでくれた人からさらに
繋がった人が紹介してくれたCarlosです。
彼は本当の古代の音楽をやっている素晴らしい人だから会いに行きなさいと。
彼がまず持ってきたのは、
Lawita(ラウィタ)という二対の笛です。
この楽器はさらにこの場所から10時間山に入り取ってきた植物で作ったもので、ケチュア語でpayag kunkan(老婆の喉)という名の植物だそうです。
彼らは”ヤナンティン”という思想をとても大切にしていて、これはすべてのものに必ず”二元性”(生み出されるものの原型)があるという考えです。
笛の材料にする植物を採取したら、まずその植物に感謝をし、コカの葉と煙と祈りの言葉で精霊とともに楽器を作る。
その時に生まれるエネルギーの場によって男(陽)の楽器なのか女(陰)の楽器なのかが決まるそうです。
そして対になると決まった2つの楽器は必ず常に一緒に演奏されるということです。
たまにセレモニーで他の楽器がやってくることがあるけれど、やはり音のバイブレーションは違うのでフィットしない、まれにフィットするくらいの近さを持つものがあるけれど、一旦対になると決まった楽器でないと波のように音のエネルギーが交じり合い天に昇ることができないそうです。
カルロス(Carlos Wiñay Taki)は古代アンデスの文化と歴史を守るために、インディヘナの子供達に音楽を教えています。
彼のコミュニティでは、村の人々誰もが音楽を奏で楽器を演奏し、歌うことが出来るということです。実際彼も、このラウィタの他、アルパやドラムなど様々な楽器を演奏します。1年を通して数々の多くのセレモニーが行われる為で、音楽によって母なる大地や樹々、動物たちと繋がることがとても重要だということです。
その為に音楽があると。
コミュニティの仲間を何人か呼んで演奏をしてもらえることになりました。
ピサックの村の一角の家に案内されるとそこにはたくさんの楽器が。
古代アンデスにはおそらく南米一多様な楽器があるのではないかと彼は言っていました。
セレモニーでは60人くらいの大人数での演奏をするようです。
この大きなパンフルートは春分と秋分の日にしか演奏しないそうです。
これらの楽器全てが自分たちで山から取ってきた植物や動物から手作りするそうです。そして採取する時期なども特定していて、新しい巡りが来ると作り変えるものもあるようでした。
現在南米は雨季なので、Pukllay プクレという、今の時期にしか行わないセレモニーの音楽を奏でてくれました。
ウアイノのリズムは、このあたりのアンデスのインディオの古いリズムです。
動画をたくさん撮ってきたのですが、ここにアップできなくて残念。
歌を歌ってくれたのはTitaとSara。
彼らはとてもとても髪を長くしています。髪がとても重要なのだそう。
わたしの長い髪をみんながとても褒めてくれました。
ラウィタの隣にあるのはSamborayという、また別の笛です。
そして歌はケチュア語です。
アルパを弾くカルロス。
厳密には少し違う楽器です。
スペイン人による制圧があって以来、西洋音楽のスケール(音階)が浸透してしまったけれど、彼らは古代アンデスのスケールで調性しています。
マンドリンやギターのような楽器でも必ず調性は古代アンデスのものにするようです。
日本からわざわざ来てくれたからと、3曲ほどみんなで演奏してくれました。
そしてすべての曲は今この時期、雨季を祝福する歌。
Rene、Hugoが加わって全員で5人。
それぞれみんな先生だそうです。音楽、陶芸、小学校、アンデス美術など。
最後に君の歌が聞きたい、
日本の古代の歌を聞かせて欲しいと言われたので「かごめかごめ」を歌う。
どんな素晴らしい瞬間だったか想像できますか!?
コミュニティのセレモニーでは色とりどりの衣装を着て、アルパカのように踊る歌、美しい白い羽根で作った翼を付けて求愛する美しい歌など本当に素晴らしいということです。
これらのセレモニーも男と女のもの、
生み出されるもののために陰と陽を奏でます。
「ここからコスモ(宇宙)につながってゆく、宇宙からではなく、まず大地からがとても重要。それらに到達する喜びとともに音楽のコズミックをやっているんだよ。」
君はもう僕たちのコミュニティの家族だからいつでもおいでと。
瞳は窓です。
最後に交わしたキスはとても神聖なものに感じました。
魂の家族。
奇跡の旅はまだまだ続きます。