音楽と祈りを求めて〜南米縦断5000キロの旅

歌手のkawoleです。ペルーからボリビア、アルゼンチン、ウルグアイを回ります。音楽を巡るお話も。

深夜のブエノスアイレス

am3:00 ブエノスアイレス

 

cant a capela。
あるアーティストの家で毎週火曜日の深夜に開催される「声だけの夜」。主催者はこちらで重要なカルチャーのマガジンを編集しているリチャードです。

 

パティオで飲んだり(こちらは1リットルの瓶ビールをみんなで回し飲み)、絵を描いたり座り込んで話したり、それぞれ自由に楽しんでいます。

 

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かなりディープな雰囲気ですが、12歳の子どもも参加。

 

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パフォーマンスは何をやってもよく、ロックやマイケル・ジャクソン、自作の詩の朗読、ビオレータ・パラやアルゼンチンサンバなど、灯りを落として深夜に聞く声は興味深い。

 

こういった誰もが声を使って表現する場所をあなたも日本で作りなさいとミリアム・ガルシアに連れられて、”通りゃんせ””赤田首里殿””ソーラン節”を歌ってきました。

 

戻ったら失われた「やまと歌」の研究をしたいのでどなたか古い歌をご存知の方がおられましたら紹介していただけるとうれしいです!

 

ブエノスアイレスでは夜を通して、まるで地下鉄のようにものすごいスピードで縦横無尽に走るバスに乗って家に帰る。

 

途中通る道では、売春婦が立ち並ぶエリア、路上で暮らす人、パコという薬物で廃人のようになって歩く人(こちらではウォーキングデッドと呼ばれる)、calleに転がるマットレスで上を向いたまま動かない若者がたくさんいて、灯りのない道を「狼の口」と呼んでいます。

 

「キッチン」ではコカインが作られ、純度の高いものを作ったあとに残る廃棄物が安く取引される「パコ」。

 

バスを待つのに危ないエリアでは、バスを待たずに次の駅まで何ブロックも歩き、常に人の流れを見ながら気配を感じて自分の身を守る。

 

メトロの駅once 30 de diciembreは、12月30日に200人が火災で亡くなったライブ会場の追悼写真で埋め尽くされていて、荒れてゴミだらけの街を注意深く歩きながら現場に祈りを置きに行く。

 

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ブエノスアイレスの光と影。
闇は深い。